―― 覚醒 ――

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   雪と俺は、付き合って2年になる。  俺達は高校の同級生で雪は大学の看護科に進学し、俺はめでたくもフリターになり進路を先送りした。  その雪が、犯罪紛いの行動を起こす理由が分からない。下手すれば、退学になり看護士の夢も無くなってしまう。  何故、こんな事になってるんだ? 「ふふっ、混乱してるみたいね」  覗き混んでいる雪の顔の隣に、知らない顔が割って入ってきた。  始めて見る顔だった。ただ、その顔は思わず見とれてしまうほどの美人で、モデルだと言われたなら簡単に信じてしまうだろう。  それで、この人は誰なんだ? 「薬が効いてるから、まだ動けないはずよ。言われなくても、大人しくしてるしかないわよね」  薬……やはり、雪の仕業なのか?  だけど、それは違っていた。薬を盛ったのは、雪じゃなく謎の美女の方だった。 「この人、薬剤師なんだよね。それで、洋介にある薬を飲ませちゃったんだ」  薬なんて飲んだ覚えはまったく無いし、この美人だって記憶にない。  
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