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「もう別れちゃったの?!」
驚く菜々の声に梨沙は答える。
「うん。だって、何か違う…。」
すると菜々は呆れながら言う。
「あんた…あんなに容姿端麗で仕事も完璧、おまけに優しくて、みんなから人気!あんな完璧な人間滅多にいないよ?」
すると梨沙が真剣な顔で言う。
「私、気付いたの。今までどんな人と付き合っても満たされない。それは、私が相手を好きじゃないからだと思う。」
菜々は少し、怒っているようだ。
「これで、何度目?!もし人を好きになれないんなら、男が悪いんじゃないよ?一度医者に見て貰ったら?」
嫌味がたっぷりこもっている。
怒ってどこかへ行ってしまった。
それもそうだ。誰もが羨むぐらいの男に好かれ、それを無下にしてしまったのだから。
梨沙は、本当に医者に行きたいと思った。自分はおかしいのではないかと真剣に悩んでいるのだ。
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