第一章 篭からの脱出

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「どういう事ですか?」 「だから例えば…君は何で敬語なんだ?出会った頃なら仕方ないけど今は普通に話してくれて良いだろう?他人行儀っていうかさぁ。」 高居は困惑するように言った。つぐみの気持ちがあまり読めない事にやきもきしている様だ。 「いいじゃありませんか、あたし達まだ夫婦じゃないんですから。」 つぐみとしては距離を詰めたくないのは当たり前だった。高居は嫌いでは無いが、心は開いていなかった。 「良くないよ。君はいつも笑って言うけど、僕は君に何も伝わって無いのがたまらなく辛いよ。お父様だって交際も婚約も許して下さったのに肝心の君は…」 「少し酔ってらっしゃるんじゃないですか?」 「茶化さないでくれ!僕は本気なんだ!」 高居の大きな声がリビングに響いた。そして我に帰った。 「…ごめん。」 「いえ、こっちこそごめんなさい…」 「僕は初めて会った時からずっと好きだったんだ。正直、君は今まで好きになったどんな女性よりもかわいくて、魅力的で…愛してるんだ。」
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