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「どういう事ですか?」
「だから例えば…君は何で敬語なんだ?出会った頃なら仕方ないけど今は普通に話してくれて良いだろう?他人行儀っていうかさぁ。」
高居は困惑するように言った。つぐみの気持ちがあまり読めない事にやきもきしている様だ。
「いいじゃありませんか、あたし達まだ夫婦じゃないんですから。」
つぐみとしては距離を詰めたくないのは当たり前だった。高居は嫌いでは無いが、心は開いていなかった。
「良くないよ。君はいつも笑って言うけど、僕は君に何も伝わって無いのがたまらなく辛いよ。お父様だって交際も婚約も許して下さったのに肝心の君は…」
「少し酔ってらっしゃるんじゃないですか?」
「茶化さないでくれ!僕は本気なんだ!」
高居の大きな声がリビングに響いた。そして我に帰った。
「…ごめん。」
「いえ、こっちこそごめんなさい…」
「僕は初めて会った時からずっと好きだったんだ。正直、君は今まで好きになったどんな女性よりもかわいくて、魅力的で…愛してるんだ。」
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