第一章 篭からの脱出

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高居の真剣な告白だった。しかしつぐみには高居は最高の男では無かった。もっとも、こんな出会い方じゃなければ気持ちも違ったかもしれないが。 「ありがとうございます。そこまで言ってくれるなんて…嬉しいです。」 「つぐみさん…」 「ただ、まだあなたには…」 つぐみは立ち去ろうとする。その時後ろで高居が座ったまま言う。 「何か大きな悩みを抱えているなら僕に言ってくれ。確かに僕は家族じゃない、でも君を苦しみから守りたいんだ。」 それを背中で聞いたつぐみは、何も言わずにリビングを去った。
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