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24
島津翼が家に帰ると、庭先に古いクラウンが停まっている事に気が付き、急いで家の中に入った。
また来てるのか、あの刑事…翼は嫌な気分が駆け巡った。
どうして志津里が執拗に家に来る訳をわかっている気がする。そんな筈は無いのだが、志津里がもし予想した通りの考えを持っていたとしたら…それほど危険な事は無かった。
「あんたまた来てるんだ?どうして?」
英樹の寝室のドアを開けて、翼は中にいる志津里に話かけた。
「あっ、どうも。どうしてって…捜査に決まってるでしょう。社長を殺した犯人の手がかりを探してるんでして。」
「今日は一人?」
翼はゆっくり歩きながら窓際にいる志津里に近づく。
「堀谷君は社長の書斎にいますよ。どこに手がかりがあるかわからないから。」
「犯人は逮捕できそうなのか?」
「それがさっぱりなんですよ。見当もつかなくって。」
白々しい…翼は苦虫を噛み潰した。
「もういいよ、そんな嘘は。」
「嘘?何がですか?」
「断言していい。あんたは姉さんを犯人だと思ってる。違うか?」
「どうしてそう考えたんですか?」
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