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27
何か漠然とした不安を残したまま、昼下がりを過ごしていたつぐみは誰かがドアをノックする音を聞いてベッドから体を起こした。
「誰?」
そう言いながらつぐみがドアを開けると、そこには堀谷が立っていた。
「あっ、まり子ちゃん…来てたんだ。どうしたの?」
「あのね、志津里さんが協力して欲しい事があるんだって。だから社長の寝室まで来てくれない?もう他の人も来てるから。」
「他の人って?」
「翼君と高居さんよ。何か実験してみたいって言ってたから。」
翼と高居さんまで…つぐみは妙に感じた。何が妙なのかと言われればわからないのだが。
「…わかった。何するつもりなのかしら?」
「さぁ…多分来ればわかるんじゃない?」
「やっぱり志津里さんって面白い人ね。」
つぐみはそう言うと、部屋を出た。
堀谷と並んで廊下を歩いていると、窓を開けていたせいか、後ろでバタンとドアが閉まる音が聞こえた。
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