543人が本棚に入れています
本棚に追加
むかしむかし、イタリアのヴェネチアに、ある貴族の男がいました。
男は美しい容姿の持ち主で、淑女たちからは大変慕われました。しかし、男は淑女たちに見向きもしませんでした。それ以前に、彼は人間自体に興味がなかったのです。
彼が興味あったのは、人形だけでした。
彼は昔から人形だけに、親しみを持っていました。両親は外で愛人を作り、子供だった彼に見向きしないで、ほったらかしにしていたからでしょう。唯一、彼をほったらかしにしなかっのは、人形だけだったのです。
月日が経ってから、男は自ら人形を作るようにもなりました。
最初のコメントを投稿しよう!