序章

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 男が作る人形は、今にも動きだしそうな、美しい作りの大変良い出来の人形でした。  色んな人が彼の人形が欲しくて、お金をたくさん出して買おうとしましたが、決して彼は売ろうとしませんでした。  何故なら、彼の作る人形は、彼のためだけに作られた人形だからです。誰にも売らず、譲らず、ただ彼は人形たちを愛していました。  ・・・しかし。  人形を作り始めて僅か数年後、男は若くして不幸にも、人形が欲しくて仕方がなかったおかしな人に殺されてしまいました。
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