呪縛された悪魔

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それほど、この本が面白かったと言うことだ。 さすが、宮倉さんが面白いと言った本だなあ、と栞は一人納得。 栞「……悪魔か…」 図書委員もいなくなり、隣の司書室からも物音一つしないせいで、しん、と静まり返った図書室で、ぽつりと呟く。 悪魔と呟いた理由は、その本に出て来たからだ。 人の不幸を好み、人を不幸にする悪魔。 しかし姿は、それは美しく、妖美という悪魔だった。 栞「…本物の悪魔がいたとしたら、どんなのだろう…」 いる訳がない。 空想の世界の生き物だ。 栞だって分かっているけれど、考えてしまう。 想像してしまう。 今まで読んできた本に登場した悪魔は、いろいろいた。 化け物のような姿から、この本のような美しい姿まで。
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