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栞「いやああああぁあっ!!!きゃああぁああっ!!!」
栞は耳を塞ぎ、しゃがみ込んだ。
何か分からない。
でも、確実に、何かが、何かが通ったのだ。
人ではない。
なぜなら、足音が、しなかった。
栞「いやっ…嫌…だれ、誰か…」
自分でも情けないくらいに震えている。
心臓の音が静かな空間によく響く。
《助けて…助けて…》
もう顔を上げられない。
怖くてしかたない。
ただでさえ、もうこんななのに
トッ…
背後に、何かが来た音がした。
栞「はっ、はあ、は…」
息が荒くなる。
何が、何が背後に―…
?「…いい音だな。恐怖に怯える心音に、乱す吐息」
.
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