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「クソだな」
バルは悟った。
アルファングが自らの意思で、アムステル城を見捨てた訳ではないことを。
「理解してもらえて嬉しいよ。では、出撃の用意を整えてくれ」
「この話の流れでか?」
アルファングの矛盾した命令に、バルは戸惑った。
「アムステル城は陥落するだろう。その時、徹底する軍を援護する必要がある。エルステーラ城からアムステル城までの間にある砦に、バルとグラウグスの部隊を密かに配置してもらいたい」
「御意にございます、殿下」
グラウグスが一礼する。
「汚いな、クソジジイ」
どうやらグラウグスは、アルファングの意向を知っていたらしい。
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