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アンデッド。直訳すれば『死んでいない状態』という意味になる。翔が遊んでいたコンピューターのロールプレイングゲームのほとんどに、アンデッドモンスターが登場していた。
冷静に考えれば、その正体は化物に襲われて殺された一般市民か、探索の途中で命を落とした冒険者の成れの果てである。すなわち、《ゾンビ》、《スケルトン》、《ゴースト》、《ファントム》、《グール》、《ワイト》、《レイス》等が上げられる。地球界で最も有名なアンデッドと言えば《ヴァンパイア》だろう。誤解されがちだが《ドラキュラ》は《ヴァンパイア》の一人であり、種族名ではない。
この《ヴァンパイア》の伝承が、世の中の多くのアンデッド・モンスターの基礎になっていると翔は推測している。《ヴァンパイア》の正体は『早すぎた土葬』をされた遺体である。医療技術が現代ほど発達していなかった時代には、仮死状態に陥った病人を埋葬してしまうことも有り得ただろう。その後、墓の中で息を吹き返した人の姿を見て『死者が甦った』という見聞が吸血鬼伝説に真実味を与えたいうのは想像に難しくない。
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