第3話 放浪の戦士

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「翔? 大丈夫?」 「!」  弥生の声で、翔は我に帰った。 「悪い。考え込んでいた」 「それにしても、ひどいな…」  尚も明比呂は文句を言いたそうだったが、   「早くここから立ち去らなければ、私たちがああなる。一緒に来るのか、来ないのか?」   「ユニスについていく以外、俺たちに選択肢はない。行こう」    翔が明比呂を説得する。   「…冷たいんだな」   「死んだ人間を埋葬する行為は、生きている人間の感傷に過ぎない。状況から察して、ドラゴン・ライダーは光明神側の切り札らしい。その切り札を、ここで無くすことはできない。切り札を失えば、さらに多くの人間が死ぬことになるぞ」   「…分かった」
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