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「私の真意がわかってもらえて、嬉しいわ」
そこに憔悴しきった顔のユニスが現れた。
「休憩中に襲われたら成す術が無い、と言うことですね」
「ご明察、恐れ入るわ」
翔に自分の考えを言い当てられたユニスの表情は柔らかかった。
「だけど休みなしっていうのは問題あるんじゃないのか?」
「おい、明比呂」
尚も食い下がる明比呂に、翔は閉口した。
「ユニスだってずっと歩きだったんだぜ。他の兵士と同じぐらい、いや、それ以上に疲れているはずなのに」
ユニスは愛馬の白麗号に重傷者を乗せ、自分はルーラン村まで徒歩だった。
その行動には、素直に翔は尊敬の念を抱いた。
「ルーラン村にいる限り、敵の攻撃はない。ゆっくり休んでくれ」
労いの言葉を、ユニスは明比呂と翔に掛けた。
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