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「聖なる光よ、この者の傷を癒したまえ、
ライト・ヒール」
神官が真言(タントラ)を詠唱し終えると、兵士が暖かな光に包まれ、瞬く間に腕の傷口が塞がっていった。
「回復呪文、僧侶系の魔法か…」
「今のは聖術のタントラよ」
翔の独り言をユニスが訂正する。
「何だよ。こんな便利な魔法があるなら、この坊さんも一緒に来てもらえば良かったんじゃないのか」
「魔法じゃなくて聖術だってさ。それに、坊さんじゃなくて光明神に仕えているから神官だよ」
明比呂の間違いを翔が訂正する。
「そんなのどうだっていい。何でこの坊さんは一緒に来なかったんだ?」
明比呂はなかなか頑なだった。
「来たくても来れなかった理由があったんだよ。思うに、回復系の聖術は聖域でないと使えないとかな」
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