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「せいいき?」
「例えるなら、ここ光明神の神殿の中のように、かなり神聖な場所じゃないと使えないんじゃないのかな。それ以外に、ユニスの部隊に神官がいない理由が思い当たらない。それに、ユニスが退却を急いだのも、夜営をするより一刻も早く神殿に辿り着いた方が、より多くの怪我人を治療できると判断したからだろう」
「何から何までお見通しなのだな、ショウは。地球では、ミドル・ワールドのことを知っている人間は大勢いるのか?」
翔の発言の正しさに、ユニスは驚くばかりだった。
「いいや。俺は他人より神話とか民話が好きなだけだ。恐らく、そこに書かれていることはミドル・ワールドのことなんだろうけど、地球人は、それがミドル・ワールドのことだなんて思いもしてないさ」
それが翔の結論だった。
「とにかく、三人ともライト・ヒールを受けてくれ。見たところ外傷は無いみたいだが、ライト・ヒールは疲労も回復してくれる」
「確かめたいことがある。明比呂からだ」
有無を言わさず、翔が明比呂の背中を押す。
間髪を入れず、神官がライト・ヒールのタントラを唱えた。だが…
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