第4話 人と、闇と

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「!」  ユニスと神官の顔色が変わる。明比呂を包んだ光が、極僅かなものだったからだ。 「次は、俺だな。やってくれ」  二人の反応も意に介さず、翔が神官の前に立つ。神官は気を取り直しライト・ヒールのタントラを唱えたが、結果は… 「どういう、こと?」  ユニスが唇を震わせる。翔にはライト・ヒールの効果が全く現れなかったのだ。 「至極、簡単なことさ。地球人には、光明神の恩恵は受けられないことが実証されたのさ」  翔は地球人に聖術が効かないことを予測していた。 「じゃあ俺は?」 「これではっきりした。明比呂の親父さんは、ミドル・ワールドの人間か、その子孫さ。だからこそ、ドラゴン・オーブを持っていた。明比呂は、地球人とミドル・ワールドの人間のハーフかクォーターだ」 「何だって?」  愕然とする明比呂。
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