第4話 人と、闇と

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「散歩? まだ夜中だぞ」 「夜中だからこそ行くんだよ。いいから早く食え」 「あ、ああ」  翔の真意が分からぬまま、明比呂は急いで食事を終わらせ、二人は部屋から出て神殿の外に出た。  時刻は定かではないが、真夜中のはずだ。  空には月のような大きな天体と、無数の星が輝いていた。  それが恒星なのか衛星なのか、果たして本当に星なのか、今の翔には知る術はなかった。  言えるとしたら、それらの輝きによって、夜なのに周囲が明るく見えることだった。  そこに人影が浮かび上がる。  それは明比呂と翔には見覚えのある人物だった。  槍の一突きで《オーガ》を仕留めた放浪の戦士、ラルフ・ロウ。 「奇遇ですね」  先に声をかけたのは翔だった。 「ちょっと散歩に行こうと思ってな」  ラルフの返答に明比呂は驚いた。  その理由が、翔と全く同じだったからだ。
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