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「どうかしたか?」
ラルフの背中を睨むように見ている翔に、明比呂が問い掛けた。
「いいや」
と答えつつ、翔はラルフのことを考えていた。
ラルフは知っていたのではないだろうか、人間が光明神を裏切れる、ということを。
「もう朝なの?」
弥生の言う通り、空がだんだんと明るくなってきていた。
「ミドル・ワールドに来た日から徹夜とはね。先が思いやられるぜ…」
そう言いながらも、翔は疲れも眠気も全く感じていなかった。
それが何を意味するのか全く分からない。
翔に与えられた判断材料は、皆無に等しかった。
五里霧中。
それが、今の自分を表すのに適したものだと翔には思えてならなかった。
第4話 完
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