第10話 ホーリー・シールド

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「私の名は、アテナ。このイージスの盾、いや、ホーリー・シールドが欲しければ、力ずくで奪ってみせよ!」  女性がアテナと名乗った瞬間、薄手のローブが光輝き、完全鎧(フルプレートアーマー)へと姿を変えた。 「あれ? ホーリー・シールドを守ってるのって、メデューサじゃなかったっけ?」  アテナの出現に、中尾明比呂(なかお あきひろ)は首を捻った。 「ヘスペリデスの園という地名を聞いて、そこにいるのは盾と因縁深いメデューサだと思い込んだ俺のミスだ。アテナとメデューサがもしかしたら同一の神じゃないかって説があるのを、すっかり忘れていたよ」  天野翔(あまの しょう)が髪の毛をかきむしる。 「ほう。地球界には、そんな話が残っているのか。人間の都合で私の中のアテナとメデューサの一面を分けたり戻したりしたのに、忙しい限りだな」
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