136人が本棚に入れています
本棚に追加
ギリシャ神話が成立する以前は、人間を石に変えてしまう力を備えたゴルゴネイオン(アテナの蛇の髪の毛の仮面)が、女神メティスのシンボルとされていた。
メデューサはゴルゴン三姉妹と呼ばれる末妹であると言われているが、そのゴルゴンという呼称は、ゴルゴネイオンに由来しているのだろう。
『強い女』を意味する長女ステンノ、『広く彷徨う』、『遠くに飛ぶ女』を意味する次女エウリュアレ、『女支配者』、『女王』を意味する末妹のメデューサが、ゴルゴン三姉妹である。
ゴルゴン三姉妹は月の女神の呼称であったが、メデューサがアテナの怒りに触れた際、二人の姉がそのことに対して抗議をしたために、三人とも怪物に変えられたとされているが、神話に隠されたゴルゴンとは、石化能力を備えた女神アテナの破壊者の側面に過ぎないのだ。
つまり、アテナとメドゥーサ、そしてメティスは同一神であり、その破壊であり恐怖の側面を示した女神の名がメデューサだった。
地中海地方に伝来したメデューサは、大地母神として人々に親しまれるようになる。
見る者、または見た者を石に変える邪眼の性質は、シルクロード経由で日本に伝えられた鬼瓦と同様に、現在でも一部の地中海地域やギリシャなどでは、特にその瞳は逆に『邪』を退けたり『人からの妬みや嫉妬』から身を守ってくれる力があると信じられ、お守りにされているぐらいだった。
最初のコメントを投稿しよう!