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しかし、メデューサと切り離されたアテナでは、意味が大きく異なる。
何故なら、ギリシャ人はアテナは処女神として祭り上げたからだ。
処女神アテナにとって、かつてメデューサだった頃の夫であるポセイドンというのは邪魔な存在でしかない。
ギリシャ人は、アテナはポセイドンの関係性を何としても立ち切りたかったのではないか。
アテネまたはアテナイと呼ばれる都市国家の主導権を巡り、アテナとポセイドンが争ったことも無縁ではないはずだ。
ポセイドンは人々に泉を贈り、アテナは泉のほとりにオリーブの木を植えた。
その結果、アテネまたはアテナイの都市国家の市民はアテナを守護神に選んだという。
対立するアテナとポセイドン。
この二神の確執は、翔の想像以上に根深いのだろう。
「アテナ、メデューサ、メティス。それにペルセウス、ポセイドン」
翔が神々の名を読み上げる。
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