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相手は神だ。
しかも、よりによって戦や英知を象徴し、死と破壊を司る女神だ。
今まで戦った《ゴブリン》や《トロール》は純粋なモンスターであり、苦戦した《ミノタウロス》とて半神半人の存在だ。
さすがの翔も、アテナと戦う気構えは無い。
しかし、自分たちは光明神と暗黒神の戦いに巻き込まれてしまっている。
いずれ暗黒神と呼ばれる神とも戦わなければならないだろう。
なまじ知識の無い明比呂は、神に対して畏怖の念を持ち合わせていない。
その気後れの無さは、この先の戦いにおいても効果を発揮するはずだ。
「俺の出る幕は無い。頼んだぜ、ドラゴン・ライダーさん」
「任せとけ!」
三種の神器が揃えばパンドーラに会える。
それが、今の明比呂の全てだった。
叫ぶと同時に、明比呂がアテナとの間合いを一気に詰める。
そしてホーリー・ソードを真横に力一杯振り抜いた。
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