第10話 ホーリー・シールド

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 相手は神だ。  しかも、よりによって戦や英知を象徴し、死と破壊を司る女神だ。  今まで戦った《ゴブリン》や《トロール》は純粋なモンスターであり、苦戦した《ミノタウロス》とて半神半人の存在だ。  さすがの翔も、アテナと戦う気構えは無い。  しかし、自分たちは光明神と暗黒神の戦いに巻き込まれてしまっている。  いずれ暗黒神と呼ばれる神とも戦わなければならないだろう。  なまじ知識の無い明比呂は、神に対して畏怖の念を持ち合わせていない。  その気後れの無さは、この先の戦いにおいても効果を発揮するはずだ。 「俺の出る幕は無い。頼んだぜ、ドラゴン・ライダーさん」 「任せとけ!」  三種の神器が揃えばパンドーラに会える。  それが、今の明比呂の全てだった。  叫ぶと同時に、明比呂がアテナとの間合いを一気に詰める。  そしてホーリー・ソードを真横に力一杯振り抜いた。
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