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「確かに強い。だが、力に頼りすぎるのは良くないぞ」
アテナの繰り出したロング・スピアの穂先が、明比呂の鎧の左肩当てを粉砕する。
その早さは、まさに神速だった。
「うるさい!」
構わずに明比呂がホーリー・ソードを下段から上段に振り上げる。
「おっと」
その剣閃を、アテナは優雅な身のこなしで飛び退き、明比呂との間合いを開けた。
「なかなかの腕前だな。見込みがある。しかして、これはどうかな?」
アテナの両目から激しい閃光が迸る。
「邪眼か? 見るな、明比呂!」
メデューサがアテナの死と破壊の側面なら、アテナ自身に邪眼が備わっていも不思議ではない。
「そんな小細工、通じるものか!」
アテナの邪眼を直視しても、明比呂に変化は訪れなかった。
「やれやれ、杞憂で済んだか」
やはり邪眼は地球界の人間には効果はないようだ。
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