第10話 ホーリー・シールド

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「確かに強い。だが、力に頼りすぎるのは良くないぞ」  アテナの繰り出したロング・スピアの穂先が、明比呂の鎧の左肩当てを粉砕する。  その早さは、まさに神速だった。 「うるさい!」  構わずに明比呂がホーリー・ソードを下段から上段に振り上げる。 「おっと」  その剣閃を、アテナは優雅な身のこなしで飛び退き、明比呂との間合いを開けた。 「なかなかの腕前だな。見込みがある。しかして、これはどうかな?」  アテナの両目から激しい閃光が迸る。 「邪眼か? 見るな、明比呂!」  メデューサがアテナの死と破壊の側面なら、アテナ自身に邪眼が備わっていも不思議ではない。 「そんな小細工、通じるものか!」  アテナの邪眼を直視しても、明比呂に変化は訪れなかった。 「やれやれ、杞憂で済んだか」  やはり邪眼は地球界の人間には効果はないようだ。
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