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「そいつは良かった」
そう答えると、翔は地面に座り込んだ。
明比呂は、とっくに気を失って倒れていた。
「二人とも、平気?」
ようやく弥生が駆け寄ってくる。
「今までで一番きつかった」
「騎馬隊、二人の勇者を城までお運びしろ」
ダオレンの命に従い、騎馬隊の兵士が明比呂と翔を馬に乗せ、アムステル城へ連れていく。
「私も行くわ」
その後ろを弥生が追いかけていく。
「あれがドラゴン・ライダーか。何てデタラメな強さなんだ…」
馬に乗せられて運ばれていく明比呂を見送りながら、シラエドが本音を吐露する。
シラエド自身は十歳になる以前に高位の聖術を習得し天才と呼ばれていたが、ドラゴン・ライダーの強さは次元が違った。
「あれは剣術なんかじゃないわ。ただ、闇雲にホーリー・ソードを振り回してるだけ。でも、それでこの破壊力なんだから、ドラゴン・ライダーには剣術なんて必要ないのかも知れないわね」
一瞥しただけだが、ナイーダは明比呂の実力を見抜いていた。
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