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「誰だ?」
誰かに呼ばれたような気がして、中尾明比呂(なかお あきひろ)は周囲を見回した。
だが、霧に包まれて、周囲の景色が全く見えない。
そこはまさに、白い闇の中だった。
「…様」
また、聞こえた。
「誰だっけ?」
それは、聞き覚えのある声だった。
明比呂は、その声の持ち主を必死に思い出そうとする。
「…アキヒロ様」
「パンドーラ?」
無意識に、声が漏れていた。
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