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「俺をおちょくったのか?」
バルが怒気をアルファングに向ける。
「そんなつもりはない。国王命令に逆らわず、かつ、国王の評判だけを落とし、そして多くの兵士を救う策と時期を伺っていただけさ」
アルファングの表情は滑らかな水面のように穏やかだったが、バルはその裏に炎のような怒りを見てとった。
「分かったよ。クソ王子の命令に従ってやるよ」
軽い足取りで、バルは王太子の部屋を後にした。
「よろしいので?」
無礼の塊のようなバルの態度に、グラウグスは頭痛を覚えていた。
「レジェンド・ファイター同士、構うものか」
むしろアルファングは、笑顔を浮かべていた。
「では、私も騎馬隊の編成に参ります」
「頼んだぞ」
「御意」
グラウグスもバルの後を追って退室する。
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