第13話 レジェンド・ファイター

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「俺をおちょくったのか?」  バルが怒気をアルファングに向ける。 「そんなつもりはない。国王命令に逆らわず、かつ、国王の評判だけを落とし、そして多くの兵士を救う策と時期を伺っていただけさ」  アルファングの表情は滑らかな水面のように穏やかだったが、バルはその裏に炎のような怒りを見てとった。 「分かったよ。クソ王子の命令に従ってやるよ」  軽い足取りで、バルは王太子の部屋を後にした。 「よろしいので?」  無礼の塊のようなバルの態度に、グラウグスは頭痛を覚えていた。 「レジェンド・ファイター同士、構うものか」  むしろアルファングは、笑顔を浮かべていた。 「では、私も騎馬隊の編成に参ります」 「頼んだぞ」 「御意」  グラウグスもバルの後を追って退室する。
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