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アムステル城が魔獣の群れに包囲されてから、五日が過ぎようとしていた。
結界石に守られた城壁に近づけない魔獣たちは、邪術による攻撃か岩石を投げつけることしかできないでいた。
「弓矢隊、射てーっ!」
城主であるダオレン・アムステルの号令の下、城壁の上から百名以上の弓矢隊が一斉に矢を放つ。
放たれた矢は、次々に《ゴブリン》を射抜いていた。
しかし、弓矢では《オーガ》の固い皮膚を傷つけることはできない。
「聖術隊!」
「聖なる光よ、鋭く尖り敵を貫け、ライト・アロー!」
十数名の低位の聖術使いが、一斉に真言(タントラ)を唱える。
顕現した光の矢が、進んできた《オーガ》を貫く。
「よし」
ダオレンが深く頷いた。
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