RANK1》 日常に必然的な剣

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ここは第1大陸『テラゲール』。 『剣魔交戦期』の時代に生まれた地割れで4つに分かれた大陸の1つ。 方位の北側が真人間種(ヒューマ)の大陸第1『テラゲール』。 東側に魔導種(トリッカー)の大陸第2『ウェルセ・マジ』。 西側に精霊人種(エルフィス)の大陸第3『バイオフォレスト』。 南側に天界聖徒種(スカイド)の大陸第4『セントクレファス』。 どの種も剣を持ち歩き、どの種も剣を支えにし、どの種も剣は家よりも大事だった。 『テラゲール』の小さな村『ワムカ』に住む一人の少年『レツ』は、日々の剣術の訓練に汗を流していた。 レツ「ふッ!ふッ!ぅああッ!!」 素振りに力が入る。この道場で修行し、はや8年。 10歳から始めた剣術も体に染み付いてきた。 師範「よし。みんな上がれぇ!あと、レツ!ちょっと来い!」 レツ「なぁんだよクソジジィ。」 (呼び出しかよ…。あ~あ、今日はビンタかぁ?) ふてくされた顔を師範に持って行った。が、ビンタは愚かゲンコツも飛んでは来なかった。 師範「なんだ。平手が欲しいのか?」 レツ「え、違うの?」 師範「ははは。お前もついに脳が腐ったか!よかろう。では…、」 レツ「まてまて!違うならいらんッ!!その手を引っ込めろ!!」 師範「そうか、残念だな。」 レツ「…で、なんなんだよ。また軍から手紙か?」 師範「そうだ。」 レツ「送り返すのメンドーなんだよ…。」 師範「軍に入ればワシのような老いぼれよりもマシな剣術教官が居るやもしれん。」 レツ「行かねぇよ。」 言葉はすぐに返された。 レツ「だいたい、この村を守る大人も軍にホイホイ行きやがって。俺がいなかったら村も安心できねぇだろ?」 師範「ふん。威勢だけは一人前だな。」 レツ「腕もだッ!」
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