スベテ壊された

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『ひどい』 何十万もする時計を数分で壊された。 「お前も俺の車壊すだろ」 それは彼がすること… 頭では反論したかったが殴られるのが嫌で黙った。 「何黙ってんだよ!謝れよ!」 お腹を何度も殴られる。 「顔だとばれるから、お腹殴ってんだよっ」 散々殴られ、つねられたあと、また謝ってきた。 もういいなりになるしかなかった。 大学では、「痩せた?」と言われ、授業中、彼のメールや電話に答える私に、友達は苛立っていたようだ。 話しは変わるが、Uの家に行ったことが一回ある。 鳶だからなぜかばったり上司にも会った。 あとからその上司が私のイメージがヤリ○○みたいだと言ってたらしい。 そのせいで、あとあと売女と罵られた。 家に入るとワンちゃんがいた。ワンちゃんには優しい彼。 「犬好きには悪い人はいない、私が怒らせるからいけないんだ」と思うようになった。 Uのお母さんはサバサバして話しかけてくれた。 お父さんが帰ってきた。家が静まりかえる。 Uは敬語でお父さんと話していた。 Uの部屋へ行き、お父さんとのことを聞いた。 結構、小さい頃から殴られていたらしい。母親にも暴力を振るっていたらしい。 襖一枚の向こう側にUの両親がいるのに、ヤろうと言われた。 さすがに夕方で、初対面の親がいる隣でヤれん。 拒否したら、つねられた。 「興奮する」 きもっ。 中卒をバカにしたくないが、こいつは本当にバカだった。 学歴は大事だと思えた。 コトが済むと両親と一緒に喫茶店に行った。 車から降りるとき、父親が「背中見えてるぞ」と言ってきた。ズボンだと前屈みになると腰が見えちゃってた。 子も子なら親も親だ。蛙の子は蛙… 一般的にそんなとこを、見る親もおかしい。 喫茶店では気を遣いながら時間が過ぎるのを耐えた。 そのなかで、ここの家はお父さんサマサマなんだと思った。 お父さんに、家にお邪魔した時にお菓子を渡したから、好印象をもたれたようだった。 その日はそのまま何事もなく帰った。 一日何もなく終わると安心した。顔色をうかがい行動するのが当たり前に思えた。ただ洗脳されていただけだけど…。
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