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その日は、会う約束をしていた。私が授業が早く終わったから『Uん家の近くの駅までいくよ』とメールをした。
一時間くらいは、かかる。
それから電話がきて
「いいって危ないから。」
『危なくないよ?』
「電車の痴漢とか」
『一回も電車内で痴漢されたことないし』
「とりあえず行くから待ってろ」
『はーい』
ガチャ
電話を切ってすぐ
プルルル
着信はU。
『はーい、どーした?』
「お前さ、俺が仕事終わってからわざわざ行くっていうのに、ありがとうも言えないの?」
…えっ?
「常識がねぇ奴だなぁ」
私は、また固まった。駅のホームで携帯片手に立ち止まった。
電話口で暴言吐かれたけど、私はありがとうと言いたくなかった。
散々言われたあとだもん。
『今日会うのやめよ、こんなんじゃ楽しくないよ』
「はぁ?¥$%☆★!?」
もう受話器から耳を離していた。
ただ、聞こえたのは、
「今からお前に会いにいくで、逃げんなよ」
彼女に言う言葉か?
車を走らせてくるが、メールもバシバシくる。
「お前んちの前までいく」「逃げても追いかけるぞ」「殴ってやる」…
もうメールを開くのが嫌になった。
「着いた、こい」
しょうがなく行く。
車に乗り込むとあまり怒ってない?
「よっ」
『うん』
「怒ってると思う?」
『…』
「怒ってんだよ!!」
車を急発進させた。その間も「むかつく」を連発され駐車場に車を停めた。
まず左手をグー👊にしてお腹に一発。
親に叩かれた事がなかった私はショックで吐き気がおきた。
「どうせ吐かないのに演技してんじゃねーよ」
前かがみになった背中をまた上から殴る。
涙が出てきた。私、殴られるような事したか?
『ごめんなさい』
「謝ればすむと思ってんじゃねー」
髪を引っ張られた。
泣き顔をみて、
「ぶっさいくだなぁ。お前と付き合ってんの恥ずかしいわ」「お前、このこと言うなよ」二の腕をひどく握られた。指の跡が残るくらいに。
大粒の涙を流しながら
『痛いよ』と私は言った。
彼は我に返り私の髪を撫ではじめた。「○○がありがとうと言わないからだよ」もう私は反抗出来ず、謝る事しかしなかった。
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