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美「光次くん、影次くんに連絡とれる?」
美波さんが何かをプリントアウトしながら尋ねてきた。
光「??ぇ…と、今確かめます」
初めは疑問に思ったが、明らかに美波さんの表情が曇っていた。
ちょっとの事じゃ微動だにしない美波さんにしては珍しい。
俺は携帯で影次に電話した。
プルルルル…プルルルル…
光「出ません…ね」
どうした?
いつもならバイクに乗ってようが、会話出来てたはず。
コードレスイヤホンとマイクだって着けてったよな、あのバカ。
美「あの子なら何もないとは思うけど」
彼女はプリントアウトした紙を差し出した。
光「ありがとうございます」
俺は受け取るなり書類を覗き込んむ。
沙羅についての情報をまとめた簡単な資料だった。
美「西成沙羅…
世界的に影響のある金融業の社長の娘。
金持ちな反面、父親は金の為ならなんでもするような奴らを配下に持ってるわ。
恨まれててもおかしくないし、襲われたのも父親に対する怨恨じゃないかしら」
資料を読む俺に補足説明をしてくれる美波さん。
ありきたりっちゃ、ありきたりだけど。
光「だけどそれなら誘拐されたり、殺害されてもおかしくないですよね」
…
万一巻き込まれとしても、影次なら大丈夫だろ。
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