夢はあなたのお姫様

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そんな姉妹の疑いを晴らしたのは、 「まるで絵本に出てくるお姫様みたい。すっごく綺麗だよっ」 大きな瞳を輝かせて二人に近づいてくる少年の飾らない賞賛の言葉だった。 「素敵なドレスが二人ともよく似合ってるし、お姫様が並んでるみたいだ!」 「そ…そうかしら?」 「うんっ、すごいすごい!僕、本物のお姫様を見たの初めてだよ!ねぇおばあちゃん、やっぱりお姫様って本当にいるんだね!」 少年は興奮して、次々と姉妹のことをさかんに褒めてくる。老婦人も上品な笑みを孫と少女たちに向けたまま、こくこくとうなずいてみせる。 まだ幼いとはいえ、女の子は女の子。容姿を褒められて嬉しくないはずがない。 「そ、そう?えへへ、照れるなぁ」 「あ…ありがとう、ございます…」 遥は照れくさそうに横を向きながら、翠は恥ずかしそうにうつむきながら、姉妹揃って頬を染めている。
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