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魔女だと思っていたアリアも、やはり只の人間だったんじゃないか、と時々思う。
半年前、父母がトラックとの衝突事故にあった時、私達兄弟はイトコ(父の妹の子)の家にいた。
事故があったと聞いた私は叔母さんと病院に駆け付けた。
勿論由鶴達には何も伝えずイトコの家でお留守番だ。
私は……両親の亡骸を見て、絶望した。
私だけならともかく、まだ由鶴が、千草が、隆哉がいるのに――……。
中学に上がったばかりでまだ、生活力も…不思議な力も何も無いのに――――。
(フランスの百年戦争。フランスの危機を救った英雄、ジャンヌ・ダルク。しかし彼女は魔女として火刑に処せられた)
授業中、千里は先生の話を聞き流しながら歴史の資料集を見ていた。
歴史の資料集は本当に面白い。
写真や図表で色々知る事が出来るからこれっぽっちも飽きやしない。
しかも授業の暇潰しになるし、私は好きだ。
(それにしても…)
千里は先刻からずっと同じ部分を見ていた。
「魔女狩」、「魔女裁判」、「異端者」。
その部分を見ると、どうしても母と兄弟を思い出す。
千里は頬杖をつき頁をめくる。
タッ タッ タッ !
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