大気の変化

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の組み合わせが膨大なんだよ💣 人間の体を作っている蛋白の中で平均的な大きさのヘモグロビンを考えてみようか。アミノ酸が偶然による結合でヘモグロビンになる可能性はどのくらいあるだろうか? 実は4×10の619乗だ。 われわれは、地球が何十億年という時間をかけて、数あるアミノ酸の配列から、使えそうなものだけが残った「結果」でしかない。ヘモグロビンの話しに戻って説明すると自然はヘモグロビンを作りたくて作ったわけじゃない。たまたまそれが、使える蛋白だったから、使ったにすぎない。それを模索する時間は十分にあった。だから、自然は「人間」を作ったのではなくて、さまざまな組み合わせを試しているうちに「人間」ができちゃっただけ。  いつの間にか、話が人間になってる。まだ、われわれは、最初の生命の誕生すら見ていなかった。だから話を原始の地球の海まで戻そう。  海の表面で、紫外線によって作られた大きな分子は、やはり紫外線によって分解される前に、海の下の層に沈むことができたと書いた。だから、海の中では、表面から下に行くほど、複雑な分子が存在していたと思われる。では、この複雑な分子が、どういう振る舞いをしただろうか。適度な深さの水の中では、紫外線のエネルギーが適度に弱められて、分子同士の結合は促しても分解はしない場所があったかもしれない。そういう場所にはより複雑な分子が誕生しただろう。その分子は、結合するための「自分より小さい分子」を捕食しているように見えるだろう。つまり、小さい分子を食べてるわけだ。でも、これではまだ生命とは呼びたくない。われわれの概念による生命には「自己複製」という特性があるからだ。
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