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台所へ向かうと慣れた手つきでフライパンに油をひきといた卵を落とす。
3分程炒めたらスクランブルエッグの匂いが立ち込めてきた。胡椒を少し多めにかけるのが好みだ。
その間にトーストが焼けたらしく、チンッと音がなってトーストが飛び出てきた。
それをお皿に移して、大雑把に切ったトマトとレタスを小皿にいれてようやく加恋の朝食が出来上がる。
「いただきます。」
広いダイニングテーブルに座って朝食を食べはじめる。
トーストにはマーガリンをたっぷり塗って。
(食料もなくなってきたから、また宅配頼んで…野菜とお肉とあとは日持ちする乾物類かな?)
なんて中学生にしては庶民的な事を考えていた。
テレビをなんとなしにつけると朝のニュースが流れている。
『では続いてのニュースです。昨夜またも男性の変死体を発見。体には大きな噛み傷があり、ほとんど肉がない状態で…』
淡々と喋るニュースキャスターの言葉に耳を傾ける。
『今月に入ってこの様な事件が多発しております。なるべく一人で行動をしない様に…戸締まりをしっかりと…ー』
はぁ、と一つため息を溢してから最後の一口のスクランブルエッグをミルクと一緒に流しこんだ。
それと同時に、家のチャイムが鳴り響く。
時計に目をやると時刻は7時30分。
「もうこんな時間?小桃ちゃんが来ちゃった!」
思ったよりゆっくり食べてしまったみたいだ。
慌てミルクを飲み干してシンクに食器を水に浸してから鞄を背負って玄関に急ぐ。
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