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◇◇◇
白い部屋というには果てがなく、白い空間と呼ぶには狭い。
そんな矛盾した世界に少女が一人。
モカブラウンの髪は肩で寂しそうに揺れている。
白いワンピースに包まれてスカートの下からは雪の様な肌をしていた。
その手には、身体に不釣り合いな大きな刀。
少女の耳にはどこか遠くから声が聴こえてきていた。
まるで自分を呼んでいる様な。
『誰ー…?』
『ー…ー…。』
声にならない声だが確かに聴こえてくる。
直接悩に。
『ー…ーー……』
アンバランスな世界に、ふいに夢だと気づくとそのまま少女は白い空間から消えていた。
主を失った空間はその瞬間に何もなかった様に消えていった。
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