あの日アノとき

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お兄ちゃん、 私と歳が3つ離れているお兄ちゃんはお父さんが死んだ時には高校生になる直前だったね。 お兄ちゃんはお父さんが死んでから学校に行かずに一生懸命働いてくれた。 高校生を雇ってくれる所はあまり無かったから日雇いのバイトしてたんだよね。 でも私には心配させないように毎日制服で朝出かける。 学校の事聞いてもはぐらかすし日に日に引き締まっていく体つきを見て気づいたんだよ。 気づいた時、私には何もできなかった。 ただただ申し訳なかった。 私さえいなければ! お兄ちゃんはもっと幸せになれたんじゃないか? 私さえ、私さえいなければ。
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