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「よし、じゃあ次は……そうだな 有酢。答えてみろ。」
ある晴れた夏の日、都内の私立高校。
ちょうど高さからして木にとまった蝉の鳴き声が耳に付く、二階の教室の中 中年教師は一人の女生徒を指した。
「ほら、かずや。指されてるぞ」
指された女生徒の隣に座っていた男子生徒が女生徒に囁く。
が、女生徒からの返事はない。
女生徒は机に突っ伏し、よだれを垂らしながら豪快に睡眠中だった。
「……織田信長。」
「いや今数学だからな。」
微妙に回答のような寝言は言っているが、まるで的外れ。
男子生徒のツッコミをよそに、女生徒はなお気持ちよさそうに寝ていた。
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