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「……また寝てるのか、こいつは。」
男子生徒が助けてあげようとしたにも関わらず、女生徒は中年教師に寝ていることがばれてしまった。
「起きろ、馬鹿。」
中年教師は手に持っていた分厚い教科書を、縦にして女生徒の頭にぶつけた。
ゴン と鈍い音が教室に低く響き、女生徒はすぐに机から起き上がり 目の前に立っていた教師を睨んだ。
「……結構痛いんですけど。」
「寝ているお前が悪い。」
女生徒は教師に文句を言ってみるも正論を返され、いじけた態度でその後の授業を聞いていた。
「あー、また眠くなってきた。……寝ちゃおうかな。」
「どうでもいいけどよだれ拭けよな、お前。」
男子生徒は毎度毎度授業中に寝ている隣の阿呆に呆れながら、自分は授業を真面目に受けていた。
有酢 かずや。(ありすかずや)
二年生。
この女生徒の名前は 授業を真面目に聞かないとして教師の間でも有名だった。
佐倉 大吾 (さくら だいご)
同じく二年生。
かずやの隣に座っているこの男子生徒はかずやとは真逆に優等生として有名だった。
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