第一章 出会い

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こんなに不快な目覚めをしたのは生まれて初めてだった。   どんなに恐ろしい夢で汗をぐっしょりかいて起きてもここまで不快にはならないだろう。   驚きの前に怒りの前にまずは不快感が先にたった。   これは夢ではないと直感的に感じた。   認めたくない現実。 そんなものはこの世の中たくさんあるだろう。   だけれども、これだけはどうしても認めたくなかった。    目を覚ますとそこには、オヤジがいるという現実。  唖然    この言葉がこれほど似合うシチュエーションはないんじゃないか?   仰向けのまま、オヤジと見つめ合っている。   鼻息が顔にかかる。   不自然なほど目がぱっちりだ。そうか二重瞼か。 おいおい、鼻毛出過ぎだぞ?無精髭がこれほど似合うとは…。唇がカサカサだ。立派な二重顎。柔らかそう。髪の毛には嫌われたようだ。   一瞬にしてオヤジを分析した俺の脳内はようやく一つの疑問を叩きだした。       WHY?   言葉にならない、悲痛な叫び。     「ねぇ君、セットし忘れたでしょ?」   うわっしゃべった!   「ねぇ君、セットし忘れたでしょ?」   …なに!? セット?は?まじ意味わかんねぇ…
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