第二話

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七分咲きの桜並木が綺麗に続く河川敷を、朝の日課としてジョギングをしている。 タッタッタッタッ… 俺は走りなれたこの桜並木のコースを、朝晩10㎞ずつ走るのが日課なのだ。 (ただ…、走るだけなのだが… まだ、この頃は本気でサッカーをしようと思ってもいなかったな。 今では二部だがプロサッカー選手、だけど中学までは帰宅部で体調管理程度で走っていただけだったし)。 高萩『もうすぐ桜が満開になるな。 入学式まで咲いてくれていたらいいけど…』 桜の花を見ながらのジョギングは、やはり心に余裕を持てる。 辺りの桜が風でなびいた時、丁度ジョギングが終えようとしていた。 今は春だ。 俺の髪を揺らし、頬を撫でる風は優しく暖かく流れる。 そんな日が続く今日は、一週間後に入学式を迎える「4月」のある1日だ。 春になると、新しい出会いがあると思うのは俺だけだろうか? 高萩『あれは… 泰(ヤス)と直(ナオ)だ。』 その時だった、河川敷を向かいから同年代の男の子2人が走って居るのに気付いたのだ。 高萩『おーい。 泰、直。』 俺は大きく手を振り「ここに居るよ」と合図を送って、走って来ている2人の男の子を呼んだ。 合図に気付いたのか男の子も、手を振り合図を返してきた。 河川敷にあるジョギングをしている人に需要の高い一台の赤い自動販売機が、いつもの3人の出会う場所になっている。
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