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学校迄は歩いて30分程度。この時期には満開になる桜の並木道が続いている。 通学の時間帯なら行き交う生徒や教師で賑わっているのだろうが流石にこの時間では人通りもまばらだ。 どうせ遅刻なのだからゆっくりと花を見ながらの登校も悪くない、と思い一際ゆっくりと歩いていたところ… 「おはようございます」 桜の花びらを掃除していた近所の主婦…?なのだろうか、若い女性に声をかけられて驚く。 猛「…どうも」 曖昧に返事をする。 「遅刻ですよ?急がなくちゃ!」 猛「あぁ、そうっすね(何だよこいつ、馴れ馴れしい奴だなぁ)」 「頑張って下さいね!」 猛「まぁ…適当に」 なんだか居辛い気持ちになり、少し早足で女性をかわす。 少し離れたところで振り返ると女性はニコニコしながらこちらを見ていた。 猛「…なんなんだあの人は」
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