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ガララッ
神崎は教室の戸を開けて中に入る様にうながす。
一斉にクラス中の注目を浴びる。何だか変な気分だ。
神崎「あ~…今日からこのクラスに転入して来た石川猛君だ、仲良くする様に。…それじゃ石川、自己紹介しなさい。」
猛「…………」
神崎「石川?」
猛「あぁはい。えーと、今日からお世話になります石川猛です。よろしく。」
喋りながらも視線は一点を見つめる。教室に入った時から興味とは違った感情…明らかに敵意を持った視線を俺は感じていた。つまり「ガンを飛ばされた」というやつだ。丸くなったとはいえナメられるのは好きではない。睨み返してやる。
…神崎はお構い無しで話を進める。
神崎「えーと…席は…確か秋葉の隣だったな。」
…最悪だ…その「秋葉」とやらは他でもない先程から俺を睨んでいる奴だった。
しかしそこが俺の席だと言うから仕方がない。渋々机に向かう。途中「よろしく」だの「仲良くしようね」だのと声をかけられたので適当に答えて席に付いた。
秋葉「よぅ。初日から遅刻かよ転校生。」
猛「………」
やっぱり来た。程度の低い挑発が。あえて無視をしてやる。
秋葉「おい、無視してんじゃねーよ。」
猛「………」
秋葉「チッ…ヘタレが。」
その時間、それ以上の会話は俺と秋葉の間にはなかった。
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