大和乗艦

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特に高原一等兵曹はかなり厳しく、私はいつも怯えていた。 高原一等兵曹は、もともとヤクザもんで喧嘩を毎日のようにやっていた。 そもそも高原一等兵曹は海軍に入るつもりはあまりなく、親や親戚に無理矢理養成所に入れられ、『大和』に乗艦した。 ただ高原一等兵曹は、スポーツ万能で柔道、剣道をやらせたら、高原一等兵曹に勝てる人はいなかった。 山崎少尉は、海軍兵学校卒で、訓練が終わったらいつも夏目漱石の小説を読んでいた。 山崎少尉は、『大和』ができた時から乗艦しており、山本五十六元帥に直接話した事があるらしい。機銃座では指揮官をしており、高原一等兵曹、与野水兵長からは絶大な信頼を受けている。 与野水兵長は、柔道、剣道では高原一等兵曹とライバル的な存在である。 与野水兵長には1つ違いの兄がおり、空母『大鳳』での通信担当長の仕事についている。 与野水兵長は、『大和』に乗艦する前までは船酔いがひどく、全くって言っていいほど戦力外だった。 船酔いが原因で40度を越える熱を出し、死にかけたと言う。
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