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俺は走り出していた。
宮田香織にお礼を言った直後に何故か体が疼いて走りたくなった。
爽快な気分だ心踊り、胸が弾む。
「ん? 胸が……弾む?」
俺は立ち止まり、なんか違和感を感じる胸の辺りを触ってみる。
ふにょ……柔らかい。
「えぇ……これってこれって、もしかしてのもしかして? うわぁーー」
俺は走って来た道則を叫びがながら猛スピードで駆け戻った。
やばい、やばい……この膨らみ、そして感触。
「おっぱいじゃないのか!」
俺は保健室の扉を乱暴に開けるや否や中に向け叫んでいた。
しかし、扉を開けた先には壁があり、行き止まりだった。
確か保健室の扉を開けたつもりだったんだが。
「あんたねぇ……」
見るとその壁はプルプル奮えていた。
そして、見上げるとそこには眉を吊り上げ鬼の形相をした宮田香織が立っていた。
――見上げる?
「うるさいのよ!」
彼女の怒号と共に俺の顔面に上段回し蹴りが見事に打ち込まれた。
木の葉のように宙を舞う俺。
残念な事に意識ははっきりしていて、激痛は絶賛受け付けている。
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