ある朝の出来事でした

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「て、なんじゃこりゃーーーーありえねぇよって、明らかに俺の身長が縮んでんじゃねぇかよ」  制服がタボタボだし、全てを見下ろすとまではいかいが多少は自慢だった身長が女ごときに……こんな宮田香織ごときに。 「大丈夫……負けるな俺、心は遥かに大きい」  苦し紛れにこれだけは言っておこう。 「なにそれ、新手のボケ? 何世紀経とうと流行んないわよ」  ははぁー、一蹴されちった。 「んで、これはどういう訳だ? 宮田さん」  縮んだ為に余った袖をぶらぶら揺らして問う。 なんだか間抜けだ。 「私が知るわけないでしょ、質問する相手が間違ってる。医者やら科学者にでも聞きなさい」 「おう、それだ! 流石は真面目さだけは天下一と謳われた保健委員宮田香織! 惚れ直したぜ!」 嘘だけど。  まぁ彼女が言ってることは名案も名案。 名案すぎて普通だ。 「なにそれ! 全然嬉しくない! それにあんたに惚れられても困る。おおいに困る」 「大丈夫、お前が困ることはない!」 「え?」 「何故なら嘘だからだ! 残念ながら俺は性格も重視する面食いだからな。男に妥協は許されないって事、んじゃまた明日」 「ちょ――」  俺は適当な捨て台詞を行って、その場から去った。  宮田香織をその場にポツンと残したまま。  取りあえず学校サボって病院にでも行ってみよう。 「うおっと」  走ると裾を踏んで危うくズボンが落ちてしまう。 やべぇ、危険だ。
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