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「兄貴、兄貴、兄貴ーー!」
「おいおい、なんだなんだ。少し落ち着け悟」
兄は洗面所にいた。まだ7時を少し過ぎた程度の時間にも関わらず兄は服装もきちんとしており、今は髪の毛をワックスで整えているところだったようだ。
悪い夢を見て跳び起きた時の様に朝っぱらから心臓をバクバク高鳴れして俺は兄貴の前に立つ。
「はぁ、はぁ、あのさ、あのさ、兄貴。朝……立ってなかった」
「……」
兄の端正な顔が斜めに傾く。何のことだと無言で言われている。
「だから、朝起きたらマイサンが立ってなかったんだよ」
「は?」
「だから、チン……朝立ちしてなかったんだよぉ!」
俺の発言に一瞬兄は不意を突かれたようにほうけていだが、ニヤリと不敵に笑い、
「お前もこれで大人だな。大人の階段昇る~はっはっは、そんなもんは10段飛ばしさ」
意味がわからなかった。
普通は立つものだろ? 大人になったら。しかも、俺は今思春期真っ只中だ。
「違うんだ兄貴、それになんか小さくなってる」
「ん~? どれどれ」
「ちょっ」
兄はしゃがんだと思いきや、一気に俺のズボンをパンツごと下げた。
俺のアレは見事にまる見えで、兄弟どうしだろうと恥ずかしいモノは恥ずかしいのだ。
「な、何すんだよ」
俺は急いでズボンとパンツを持ち上げて履き直す。
「ははは、昔とかわんねーじゃんか」
兄はニカッと笑った後、肩を叩いて洗面所を出て行った。
昔っていつの話しだ? 兄と一緒に風呂に入った記憶は……小学生の低学年くらいか……。
「て、まてよ。じゃあ、俺のあそこやっぱり小さくなってるだろ」
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