ある朝の出来事でした

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             ※ 「佐藤悟」 「は~い……」  俺は朝のHRでの点呼を机に突っ伏したまま、右手を挙げて返事をする。 「どうした? 佐藤、気分でも悪いのか?」  いつにも増して気怠く答えた俺を心配してか点呼を中断して声を掛ける担任教師。 「いえ、大丈夫です。少し寝てれば直りますから」 「そうか……」  担任は再び点呼に取り掛かる。  俺の憂鬱な気分の正体はやはり男の大事な部分が小さくなったこと。  兄貴は「寒いから縮こまってるんだろう」と適当なことしか言わなかった。  再びモゾモゾと手を動かして股間に触れて確かめてみる。 「う~ん……やっぱり小さ――!!! なっ、ない!!!!」  俺は大声を張り上げて立ち上がっていた。  その事実で顔が多少青ざめていたが、皆のイタイ者でも見るような冷たい視線で顔は青から赤へと信号のように変わった。 「佐藤やっぱり気分が悪いのか? なら保健室に……宮田、一緒に連れてってやれ」  たまたま隣の席にいた宮田香織に指名がかかる。  俺はこいつが苦手だ。 「いいです。俺一人で行ってきます、大丈夫です」 「そうか……」  担任が引き下がるのを見て、俺はヨタヨタと再び青ざめた面を引っ提げて歩きだす。  みんなの視線が息苦しい。 「やっぱりダメよ、連れて行く。私保健委員なんだから!」  宮田香織が後方で何を思ったか急に立ち上がり、ツカツカ寄ってくる。  あちゃー回避出来たと思ったのに。
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