506人が本棚に入れています
本棚に追加
「どうしたの!」
カーテンが勢いよく横へスライドされる。
そして、俺と宮田香織の目がバッチリ合う。
俺はできうる全ての技量を注ぎ込み極上スマイルを彼女に向ける。
刺すように睨まれ一瞬で視線を反らされた。
そんでもって、宮田香織が目を反らした方向というのが……
「きゃ……うっ、あんたなんて格好してんのよっ」
絶叫でもするかと思ったが、意外と冷静に視線を反転させて俺に背を向けた。
別に俺は変態ではないが、彼女の反応は面白くなかった。
「宮田さん? どうだった俺の息子は?」
「なっ! 見てないわよ、あんたの小さ過ぎて……んぐ」
最後はもごもご言って遂には口をつぐんだ。
表情は見えないが、たぶん真っ赤になってると思う。
「やっぱり見たんだ?」
「だから、見て――」
「だろうね。まぁ、見てたらそんなこと言わないはずだし。確かに宮田さんは見てないね」
「え? それどういうこと?」
「ちょっとそこにある体温計とってくれるかな?」
宮田香織は近くの机に置いてある体温計を取り、俺を見ないように体温計を差し出す。
「はい、これでいい?」
「あぁ、充分だ」
俺は体温計ではなく宮田香織の手を掴んで重いっきり引っ張ってベットに引き込む。
最初のコメントを投稿しよう!